蜘蛛の紋様3 パーム32
ジェームズが、この少年時代を過ごして成長したにもかかわらず、他人への信頼をなくさなかったというのは、本当に奇跡的なことだと思います。
もちろん、物語なのですが、それでも、奇跡的だと思わせるものが、この物語の中にはあるのです。
えーと、「最終兵器彼女」みたいな世界で展開する、帰ってこない夫を待つ奥たんのお話……。
「最終兵器彼女」みたいな世界……というのは、正確ではないか。あの世界は、戦争があって……ですが、このお話では、謎の植物の大発生(?)のために、東京が壊滅状態みたいになっている様です。
もうすぐ、世界の終わりが来る……。
そんな雰囲気のなか、奥たんフィルターで見る世界というところが、ちせフィルターでみる世界だった「最終兵器彼女」と似ていると感じたのかも。
今回の作品の大きなテーマの1つは、「食事」みたいです。
わたしみたいに、雑食の人間にはわからない、こだわりとうんちくが、ぎっしりとはいっています。
無邪気さと、お米を食べるときとかのエッチさと、生きていく必死さ。
本当に、高橋 しんは、計算し尽くしてかいています。それは、ほめ言葉には聞こえないかもしれないけれど、今のこの特別にカラーで単行本をだしてもらえる地位とか、いろいろなものを、実力で勝ち取ってきた人なのだと思います。
次は、「きみのカケラ」が読みたいなぁ。
覆面の人たちの正体って……。
けっこう、この世界の秘書は、暇なのか?
そういえば、あんまり仕事しているところ見たことないな。
うーん、ドナーの家族とあってどうするというのか……というところが、自分的には理解できないのですが、そこを否定すると、物語自体がなりたたなくなってしまいますね。
しかも、感情までドナーの気持ちにひっぱられているのだとしたら……。
こういうところが、わたしはドライなのだと思います。
4巻は、小休止っていう感じかも。
まあ、1巻のレベルにもどる。
そんなに、いい話を連発してもいられないか?