邪悪の家 クリスティー文庫6
長編ポワロも、6作目。
だいぶん、クリスティの嘘のつき方にもなれてきて、犯人当てができるようになってきました。
それでも、この入れ替わりのトリックには、意外でしたねぇ(笑)
ちょっと、日本人には、わかりにくいですが。
でも、結局この事件って、ポアロがいなければ、起こってなかったのでは??
そうではなくて、いずれ、起きたのか?
こっちは、「ガン病棟のピーターラビット」のときのような、イヤな感じは少ないです。
でも、それは、「ガン病棟のピーターラビット」の方を先に読んでいるので、中島 梓に慣れただけかも……。
まあ、生き方は、人それぞれだ。
生きたいようにというか、それぞれが、1番楽なように生きるのがいいと思います。
精一杯、ギリギリまで自分を追い詰める人にしても、わたしは、それはそれで、その人にとっては楽な生き方なんだと思います。
だって、ゆったり生きろと言われても、つらいだけでしょ?
けっこう分厚い1冊です。
「永遠の戦士 フォン・ベック」シリーズの2冊目。とかいっても、主人公は、1巻目のフォン・ベックではなくて、マンフレッド・フォン・ベックという、1巻目の主人公の子孫です。
で、主人公も違うのですが、物語の質も、なんか1巻目と全然違う感じなんですが……。
1巻目は、いきなりルシフェルが出てきて、かなりストレートなお話でした。でも、この2巻目は、かなりまどろっこしいです。
偽史をずっとかいているのですが、このあたりは、わたしは知識がないので読み取りきれいないと思います。だから、もしかすると、知識がある人は、ここにファンタジーを感じるのかもしれませんが……わたしにとっては、ずーーっと、ファンタジー的な要素がみえてこないのです。
もう、この厚い本のまん中ぐらいまで、普通の歴史小説みたいなかんじです。
だから、クロスターハイムが出てくるあたりまで、なんかお話が動き出す感じがしなくて……。おもしろくないわけではないのですが、まどろっこしくて、なにが言いたいのかわからないという……。
いやでも、「ストームブリンガー」から後のエルリック・サーガとかも、こんな感じだった気がします。
象徴を読み解くには、それ相応の知識と知性が必要ですねぇ。わたしには、明らかにそれが足りていない感じです。
でも、足りてないところを自分勝手に想像して、こねくりまわすのも、楽しいのですが。
うーん、難しい。
伊坂 幸太郎、2冊目です。
ドンドン読ませるうまさが、ありますねぇ。
でも、この本は、ちょっと巧すぎるだろうという気が、ちょっとした。技巧にはしりすぎているというか……。
まあ、見事に騙されたということなんだけれども……。
物語自体が、どこか破綻していて、エッシャーのだまし絵のように循環構造になっていたらおもしろいなぁとも思ったのですが、「イッツオールライト」は、最初にもどる訳ではなさそうです。
そうして考えると、前作「オーデュボンの祈り」のカカシや、階段を歩く人をベランダから眺める人というのは、作者のことかと思ってしまったりします。
あんまり、こういう全能の存在が前面に出すぎると、ちょっと陳腐に感じてしまうと思うのです。
微妙なバランスで、この作品は、おもしろいの方に天秤が傾いてはいるのですが。
ところで、この人たちの親は、どうしているのだろう??