2008年03月一覧

時に死んだ人間が歴史を動かすこともある

太陽の黙示録16

1人の人物を中心に、2人の英雄が動き出す。

例え、その人自身は死んでいても、英雄の心の中に生き続けているのなら、本当に歴史を動かした英雄は、彼女なのかもしれない。

まあ、彼女がいなくても、この2人なら動いていただろうという説もありそうですが…でも、物語のターニング・ポイントなのだと思います。


受け師さんの目的

ハチワンダイバー6

「鬼将会を潰す!!!!」

という受け師さんの目的が明らかに。

そして、斬野、澄野の師弟はいいとして、あきらかに巻き込まれただけの悲惨な主人公。
でも、いくのね。いっちゃうのね。

このいっちゃっているところが、このマンガの凄いところだけど、このおもしろさは読まないと伝わらないと思います。


あぁ、これはしっくりくる

中島敦 ちくま日本文学全集36

中島 敦といえば、高校の教科書で読んだ「山月記」です。
それ以外は、知らない。

多分、この頃、平井 和正の「ウルフガイ」とか、夢枕 獏の「キマイラ・吼」とかを読んでいたのだと思います。
で、わたしの中では、この「山月記」は、それらの物語の同列の物語として記憶に残っております。

人が、獣に変わっていく。そういうお話。
ウルフガイとか、キマイラ・吼と同じ透明さが、山月記にはあるなあと感じました。
まあ、山月記の影響を、ウルフガイやキマイラ・吼は、うけているのかもしれません。

で、ものすごく、悲惨なお話だったような印象が残っています。

今回、この本で読み直してみて、でも、中島 敦は、この人が虎になる話を、重いテーマをのせながら、それでも、けっこうおもしろがって書いていたんじゃないかと感じました。

それは、「山月記」の前に「名人伝」が載っていて、こっちを先に読んだからかもしれませんが。

あと、漠然と、この人は、芥川 龍之介の王朝物みたいな感じで、中国古典に取材したお話ばかりを書いているのかと思っていたのですが、けっこう、いろいろなお話を書いていたのですね。

 そして、どのお話も、メチャクチャわたしにしっくりくる話ばっかりで、ビックリしました。
おもしろいです。

日本文学、侮れない。


あぁ、オーソドックスなつくりだ

天の華・地の風 完全版 1 私説三国志

妹に紹介したのはわたしのような気もしますが、わたしは今まで読んだことがなかった江森三国志「てんぱなちかぜ」です。
実は、けっこう苦しい展開を予想していたのですが、けっこうあっさりというか、サクサク読めました。

理由のその1は、文体ですね。この人の文体は、ものすごく読みやすい。この辺、自分が読みやすいと感じる文体がどんなものであるのかというのは、よくわからないのですが。でも、文章上手いと思います。

理由のその2は、ビックリするぐらいストーリーのオーソドックスなつくりです。
これは、「やおい」としての物語のつくりも、「三国志」としての物語のつくりも、ものすごく王道。少なくとも、ここまで王道なつくりのお話がでてくるとは思いませんでした。

周瑜×孔明なわけですが、もちろん、普段精神的に優位に立てる方が、受けなんですよ(爆)
そして、傍らには、理解者の読者の分身的な女の子もいる。
このあたりのものって、まあ、好まれるタイプの話っていうのは、この20年ぐらいかわってないのかもしれない。でも、これが書かれた20年前というのは、だんだんとこういうタイプの話が増えてきた時期のなので、ものすごくこの物語って、基本に忠実なんだと思います。

三国志としてのつくりも、多分、正史の方をより元にしている感じです。

まあ、ツッコミどころとしては、たかが絵ぐらい、複製すればいいだろう……とか、あるんですけどね。

でも、まあ、それぞれのキャラクターが、可愛らしくもあり、ほとんど無理なく上手いです。
孔明、30歳とかいわれると、年齢的にはギリギリやなぁとか思いますけどね。
でも、浮かぶ映像は、人形劇の人たちとか、小林 智美の絵なので、ほぼ抵抗ないです。

まあ、そのあたり、男の人は、わたしがやおいにあんまり抵抗がないということを差し引いて考えてもらわないといけないかもしれませんが。

赤壁からはじまって、全10巻。けっこう、落ち着いたスピードでのストーリー展開のようです。
続きが、けっこう楽しみです。


10年以上放置していた…

好きなままで長く

10年ぐらい前には、銀色 夏生の詩集なんかを読んでたんですねぇ。
そして、そのまま10年間、なぜか読みかけの詩集が、バックの底で眠っていました。

今回、発掘して、続きを読んで、読み終わりました。

なんで、10年間もほっといたのかというと……謎ですねぇ。それほど、詩集とかは、しっかりと読む方ではないので、読み出せば、あっという間に読み終えるはずなのに。
うーん、気分じゃなかったとしかいいようがないですね。

あぁ、この人のなんか、色んな思いもよらない言葉を結びつけていく詩が好きだったなぁとしみじみしました。
そして、この人のエッセイは、まったくもって面白くなく、読みにくかったことも。

この10年で、わたし自身、いろいろ変わったり、変わらなかったり。
どんな風に受け止めるようにかわったのか、興味あります。

なんか、前より言葉のつながりにこだわって読んでいる気がする。

好きなままで長く (角川文庫)

銀色 夏生