十二秘色のパレット
まず、「じゅうにひそくのぱれっと」。
この語呂が、ステキではないですか(笑)
色を取りだす魔法使いパレット。
でも、不思議と実在感のある世界。
なんか、この島に住んでみたいなぁと思わせたら、勝ちですね。
また、読みきりとかで、続きが読みたい物語です。
なかなか簡単なルールで、楽しむことができた「カリブ」です。
今回の「おてばん」では、この「カリブ」と「ウルランド」が、新鮮な楽しさがありました。「サンファン」は、安定した楽しさがありましたし、それぞれに、楽しいゲームだったのですけどね。
地中海、カリブの海で繰り広げられる海賊たちの熱い戦いですよ。
プレーヤーは、カリブの海に浮かぶ島の沿岸に、それぞれ隠れ家を持っています。
海の上には、6艘の海賊船が浮かんでいます。これは、どのプレーヤーの船というようにきまってはいません。だから、自分の都合のいい船を動かすのが、肝心です。
ゲームは、いろいろな都市で、宝物が発見されることからはじまります。
まずは、都市に、宝物のタイルがおかれます。
この宝物をできる限り、他のプレーヤーを出し抜いて、ゲットするのがゲームの目的です。
ただし、宝物は、それぞれ価値が違っていて、「小銭をチビチビとかせぐか?」、「一括千金を狙うか?」など、作戦を考えなければなりません。
さて、宝物をゲットするには、まず船を宝物のある港に隣接させなければなりません。そして、宝物を船にのせて、その船を自分の隠れ家まで、移動させてはじめて、プレーヤーは、宝物を手に入れたことになります。
さて、この船をあやつる部分が、このゲームのおもしろいところです。
なんせ、自分の船というのは決まっていませんから、全プレーヤーの思惑が、入り乱れることになります。
各プレーヤーは、「-1」から「5」までの7枚のタイルを持っています。
まずプレーヤーは、この7枚のタイルのうち6枚を、他のプレーヤーからわからないように6艘の船に振り分けます。
例えば、Aの船は「5」、Bの船は「4」、Cの船は「3」……という感じです。
全員が、振り分けることができたら、Aの船においたタイルから、全員一斉にオープンしていきます。
そして、Aの船を動かすことができるのは、なんと、このときに1番大きな数字のタイルを出した人だけなのです。船は、出した数字タイルの数だけ進めることができます。
だから、お宝をせっかく船にのせたのに、次のラウンドでは、別のプレーヤーがその船をあやつって、宝物を持って行っちゃうということも起こり得ます。
「-1」のタイルだけは、例外で、その船の動きを-1にしてしまいます。
だから、ピッタリ考えて、自分の隠れ家に戻れるぞと思っていても、「-1」を一杯おかれてしまって、微妙にとどかなかったりもします。
大事な船には、大きな数字を……。とがんばっても、数字の種類って限られていますので、けっこうバッティングしてしまいます。バッティングして、硬直しちゃうと、その船は動かすことができません。
もう1つおもしろいのは、このゲーム、船が隣どおしのマスに並ぶと、自動的に、その船の宝物を略奪したり、自分の宝物を贈与したり、自分と相手の宝物を交換したりできます。
だから、上手に船を動かす権利を掴めば、連続して、複数の船を連係プレーで一気に宝ものを自分のところに持ってきたりもできます。
このあたりの連係プレーをしたり、人が動かした船を妨害して、次に動かす船で一気に横から宝物をかっさらったりというのが、楽しいですよ~。
点数の高い宝物を持っている船は、やっぱり、みんなが動かしたがるんですね。
で、そこで、高い数字タイルを使ってしまって、お見合いをみる。
でも、自分だけ、高い点数をとなりの船につぎ込んで、宝ものを略奪。それだけでは、届かないので、中継して本拠津へ。
はまると、笑いが止まりません(笑)
そして、はまると、「おれ、宝物、積んでばっかりで、1こもゲットできない~」てなことになります(笑)まあ、積んだだけでも、ちょっとは点数が入るんですけどね。
後半になってくると、みんなも、いろいろ単純な作戦をとらなくなってきますからねぇ。
そうすると、単純なところに、高い点数をおくのが、有効になったりもします。
この読みあいの部分は、ちょっと、「ハゲタカのえじき」を想像したりしました。
今、調べてみましたが、お値段も、なかなかお手頃なゲームですねぇ。いいかも。
文庫版「イティハーサ」最終巻です。
黄実花という存在は、お話のなかのアクセントぐらいに思っていたのですが、どうやら、そうではない様です。
那智も、アオヒコも、確かに、黄実花の話をすごく重要視しているんですね。
今回、気がついたのですが、アオヒコと桂のラストシーン。あのとき、セリフに書かれていない言葉。
あのときに、なんて言うべきなのかを教えているのが、黄実花なんです。
そういえば、アオヒコにしろ、一狼太にしろ、トオコにしろ、鷹野にしろ、「救い」を求めているキャラクターのなかで、黄実花は、あんまりその部分に必要を感じていないんですよね。(まあ、キョウジも、あんまり救いの必要を感じていないかも…)
そういう意味では、とても自然体で、ニュートラルなキャラクターとして、設定されているのかもしれません。
そういえば、亜神、威神(そして、目に見えぬ神々)の間で揺れ動くキャラクターたちのなかで、黄実花のみが、どの神にも属していないのでは?
「この物語は、ファンタジーではなくて、SFとして完結しなければならない」
みたいなことを確か水樹和佳子がインタビューで言っていたのを見た気がします。
そのときは、そのSFの意味、こだわりがわからなかったのですが、人の心の動きという物語のなかに、もう1つ、大きな物語があるんだよという意味だったのかなぁ…というか、これは、水樹版「百億の昼と千億の夜」だとい宣言だったのかなぁと思います。
うーむ。
1つの物語が終わった。感慨深いものがありますね。
ところで、わたしの持っている本ですが、初版で、誤植があります。
それも、1番最初の口絵のページに(笑)
「第4部 目に見える神々」
………。
見えるんかい!!
新しい版は、修正されているようでした。